看板商品「瓦せんべい」で描く、老舗だからこその伝統と革新『銀座 松﨑煎餅』

老舗 五つの奥義銀座瓦煎餅

日本の良いものを世界へ、世界の良いものを日本へ、agatajapan。日本は、百年続く老舗が3万3,000軒以上存在する世界でも稀な国。そのご当主に、老舗を老舗たらしめる“五つの奥義”を伺う連載記事。煎餅(せんべい)といえば、日本のお菓子の中でも広く親しまれているもののひとつ。文化元年(1804年)創業、八代続く『銀座 松﨑煎餅』は看板商品「瓦せんべい」をはじめとする独創的な煎餅を提供し、人々から愛され続けてきた老舗です。そして今に至るまで、瓦せんべいは図柄を変え、形を変え、食感を変え、進化をつづけてきました。老舗が大事にする“五つの奥義”という切り口から、『銀座 松﨑煎餅』の伝統と革新を探っていきましょう。

老舗だからこそ模索を恐れない

「一枚一枚心を込めて手を抜くな」その言葉を胸に、「一番おいしい煎餅づくり」に取り組む『銀座 松﨑煎餅』。しかし、八代目ご当主の松﨑宗平さんは、それは「まだゴールではない」と語ります。守るべき哲学のためには、老舗のイメージを塗り替えるような進化も必要だという考えが、松﨑煎餅自慢の瓦せんべいの‟未来”を生み出すのです。まさに、老舗だからこそ模索を恐れない。その姿勢は、令和3年7月にオープンした、『MATSUZAKI SHOTEN』SHOP&CAFEのモダンな店構えにも現れています。『五つの奥義』のインタビューに答える松﨑さんのファッションも、一見200年つづく老舗の八代目には見えない今風のもの。

時代に応答する美意識が、さまざまな絵が描かれるキャンパスともなり、見た目にも楽しい同社の看板商品『瓦せんべい』にも反映されているのかもしれません。ほかにも「お米のお煎餅」はもちろん、「チョコとカカオニブの煎餅」や「白玉やあんこをトッピングした瓦せんべい」など数々の目新しい商品が提供されています。

その根底にあるのは二百年以上受け継がれる技術と心。伝統を守るプライドを持ち、一番おいしい煎餅を生み出し続けたいという考えを八代目ご当主は示します。

老舗 五つの奥義 その1:いちばんの特徴はキメが細かく美しい表面

「一番特徴的なのはキレイな表面」と瓦せんべいの特徴を端的に松﨑さんは語ります。通常の煎餅は焼く過程でクレーター状の穴が開きやすく、表面はざらざらになりがちなもの。キレイな面を作ることは、容易なことではありません。

瓦せんべいのタネは砂糖・卵・小麦粉などを合わせてつくります。「いわゆるグラム計量などのレシピは存在しない」と松﨑さん。その日の気温や湿度に合わせて微妙な調整を施し、同じクオリティを保ち続けるのが職人の技なのです。長年かけて作られた技術が、舌触りのなめらかな美しい‟面”を生み出します。

老舗 五つの奥義 その2:美味しくて見ても楽しい、美しい絵柄

瓦せんべいの大きな特徴といえるのが滑らかな表面に描かれる「絵柄の美しさ」です。そもそもは茶色で季節感とは縁遠いイメージのあるおせんべい。そこで花鳥風月を描き、季節感を演出したのが現在につづく華やかな瓦せんべいの歴史の始まりでした。水あめと砂糖でできた砂糖蜜を使って絵を描き始めたのは、五代目松﨑房吉。絵柄は図案帳にまとめられており、現在販売されている商品に現役で使われているものもあるのだとか。

手作業で行われる絵付けは、まさに芸術。絵柄は昔ながらの花鳥風月からポップでかわいいキャラクターまで無限大に広がっています。ポップな絵柄を増やしたことで、結婚式の引き出物や企業の株主総会などいろいろな場で喜ばれる機会が増加したと松﨑さんは話します。

老舗 五つの奥義 その3:変化を恐れない

アイデンティティのある煎餅をつくるという意気込みで『松﨑煎餅』が追及しているのが「瓦せんべいのその先」です。「白玉やあんこをトッピングした瓦せんべい(松﨑ろうる)」はその代表例。基本的には堅いイメージがある煎餅を曲げてみるという発想の転換が、“何かを挟む”という新たな着眼点につながりました。

バター、メレンゲなど洋菓子の材料を用いた記事を鉄製の鋳型で焼き上げ生まれる「松﨑ろうる」は、これまでの瓦せんべいにない新食感で人々に大きなインパクトを与えます。

老舗 五つの奥義 その4:常に新たな発想を持つ

新しい店舗『MATSUZAKI SHOTEN』の店内にはイートインスペースがあります。そこには「煎餅の魅力をもっと多くの人に伝えたい」という思いと、「銀座の街の憩いの場所にしたい」という2つの思いが反映されているそう。仕事帰りにちょっと立ち寄ったり、ここに人が集まってるからちょっと顔を出していこうといった「新しいつながりがここから生まれる場所」を目指しているとのことです。

老舗 五つの奥義 その5:先人へのリスペクトを持ち哲学を守りながら、進化を続ける

「老舗が続いてきた理由は?」という質問に松﨑さんは「いい意味で何もないです」と語ります。長く続いてきたのは先代たちが愚直に煎餅を作り続け、お客様がファンでいつづけていてくださったからだという考えを持つ松﨑さん。

感謝と先人や周囲の人々へのリスペクトを胸に、時代によって変わるベストな見せ方や提供方法を探り進化を続け、哲学を守り続けていきたいと話します。

進化により、伝統とイノベーションは合致する

伝統とイノベーション。看板商品『瓦せんべい』を進化させ続ける『銀座 松﨑煎餅』では、一見相反するように思えるその二つの概念が見事に合致しています。銀座にちょっと立ち寄って、同社の華やかな商品をぜひ、イートインやお持ち帰りで楽しみたいですね。
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「五つの奥義:銀座 松﨑煎餅編』の動画はコチラから

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